2時間目の始まり

3時間目は腸のうりょく

勉強するコロンぼうや

この時間の授業は

『神経伝達物質』

『給食ルネサンス』

神経伝達物質

神経伝達物質とは、主にニューロン(神経細胞)で生産される化学物質で、私たちの日常生活の会話にも登場する「アドレナリン」や「ドーパミン」や「セロトニン」などが古くから知られています。

中でもセロトニンは、脳内に不足すると発症する心の病「鬱病」に関わると言われていて、そのイメージが脳に直結しがちですが、実は脳内で生産されるセロトニンの割合はたったの2%程度といわれています。

では、いったいどこでその他のセロトニンは作られるのでしょうか。それはずばり、おなか(腸)です。おなか(腸=主に大腸・小腸)は、食べものを消化吸収する機能だけと思われがちですが、腸は人間の感情や創造性さえ左右するのです。

先述したセロトニン(セロトニンの前駆体)は、その約60%(90%とも!)が腸内で合成されるといわれています。
すなわち、食べものに気を配り、腸内環境(腸内細菌叢)を正しく整えることによって、幸福を感じるセロトニンや、意欲を生みだすドーパミンといった神経伝達物質を増やすことができるのです。

神経伝達物質が足りている子と、不足している子の比較イメージ
まめちしき

セロトニンってなあに?

「心の元気のもと」になる神経伝達物質の一つセロトニンは、別名「幸せホルモン」といわれていて、幸福感や安心感につながっているんだ。だから、腸内フローラをキレイにすればハッピーな気持ちになるってこと!他にも腸はドーパミンっていう「集中力」や「学習意欲」につながる神経伝達物質も合成しているよ。それに腸管免疫(全身の免疫の60%)も腸内で合成されているんだって。おなかはとってもすごい働きをしているんだね!

全身の免疫の60%と幸福ホルモンの90%を腸が生産すると言われています。

給食ルネサンス

第二の脳」と呼ばれ脳に匹敵する優れた働きをする腸ですが、その能力を正しく働かせるには「おなかに良い(善玉菌がよろこぶ)食べもの」が必要不可欠です。
この章では、そのことを裏付けるような、長野県真田町での学校給食による学校再生の実例を紹介します。
『給食で死ぬ』を著した大塚貢先生の給食改革です。
この取り組みは、学校給食を無農薬あるいは低農薬の食材(米・野菜)を中心とした「バランスのとれた米飯給食(和食)」にした結果、同校では非行が減るばかりか、学力が向上して優良校に生まれ変わったというものです。

給食による学校再生の背景には、校舎内をバイクが走るほどの非行や、弱いものからお金を巻き上げるなどの「いじめ」の蔓延が根底にあったといいます。

大塚先生は、授業内容の見直しに着手した後に、ある学校行事でコンビニ弁当やカップ麺をお弁当にしている子どもたちの存在に気がつきました。それ以降、コンビニでの張り込みに始まった本格的な子どもたちの私生活における食の調査に基づいて、大塚先生は学校の荒廃の根底に横たわる「食の影響」に確信を持って、この給食改革を断行したのです。

和食中心の給食のビフォーアフター図。和食以前は荒廃している。
まめちしき

いっぱい食べても
ココロはからっぽ

お肉やお魚と野菜のバランスのとれたご飯がとっても大事なんだけど、「おなかに入ればみんな一緒でしょ?」と思っているヒトもいると思うんだ。でも腸内フローラの善玉菌がよろこばない食べもの(つまり悪玉菌がよろこぶ食べものね!)ばかり食べていると、神経伝達物質や免疫が少なくなって、ココロとカラダから元気とキレイが減っていくんだ。その結果、「キレる」とか「無気力」がうまれるんだって。「ご飯をたべる」ことは、おなかを満たすのと同時にココロを満たす食べものをとることが大切なんだ。

カラダを作ったり動かしたりする3大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)もビタミンや無機質(ミネラル・カルシウムなど)が加わって協力して働くんだって。これを5大栄養素っていうんだ。

三大栄養素図

Q:腸は別名なんて呼ばれてるの?

A1:第二の脳

A2:第二の心臓