2時間目の始まり

1時間目は腸きんげんだい

勉強するコロンぼうや

この時間の授業は

『おなかの女神』

『腸内の調和』

おなかの女神

私たちのおなか(腸内)にはたくさんの細菌(微生物)が棲んでいます。これらは腸内細菌と呼ばれ、その数は一人あたりおよそ400種から1000種類、個数は100兆から1000兆個にも!なるといわれています(子供・大人・年齢など個人差はあります)。この多種多様な微生物が、私たちの腸内に密生して生態系を構築しており、その様子を植物が群生するようになぞらえて、「おなかの中の花畑」という意味を込め「腸内フローラ」・「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼んでいます。

腸内フローラにおける微生物の生態系は、善玉菌悪玉菌日和見菌のバランスで成り立っていますが、20歳をピークに善悪のバランスが崩れてくるといわれています。
腸内で悪玉菌が優勢になると、免疫が低下して病気・肌荒れ・老化を引き起こしますので、善玉菌を優勢に保つ心がけが大切です。その為には食事の乱れや便秘、ストレスや運動不足、抗生物質の乱用は大敵です。

因みにフローラとは、古代ローマ神話における春と豊穣と花の女神の名前です。その名のとおり、腸内フローラの免疫や神経伝達物質をつかさどる重要な働きの数々は、最近の研究によって少しずつ明らかになっていますが、未解明な部分が大きく神秘的なのです。

おなかのお花畑「腸内フローラ」と女神イメージ
まめちしき

腸管はちょう広い!

腸内フローラ(腸内細菌が集まって暮らしているところ)がつくられる大人のヒトの腸管の面積は、だいたいテニスコート1面分ともいわれていて、腸内フローラの重さはだいたい1〜2キロもあるんだって(役目が終わった腸内細菌は、うんちになって外に出て行くよ!)。
それから、腸内フローラは小腸にもあるんだけど、一般的には大腸にあるものをそう呼んでいるよ。

お花畑のテニスコートのイメージ

細菌の三かく関係

腸内細菌は、ヒトに有用な善玉菌と、有害(増えると悪さをする)な悪玉菌と、場合によってはどっちにも味方する日和見菌に分類されているんだ。だから善玉菌を応援して日和見菌を味方にするのが大事なんだ。

腸内の調和

腸内フローラという私たちの内側にある微生物社会のパワーバランスが、私たちの健康と密接な関係をもっています。
健康や美容のためには、言うまでもなく善玉菌(プロバイオティクス)が優勢であることが大事ですが、悪玉菌が全くいなければいいかというと、実はそうでもありません。

悪玉菌は病原性大腸菌O157の侵入を防いだりコレラ菌をやっつけたり、不溶性食物繊維(セルロース)を分解したり、血中のコレステロールを抑えたり、ビタミンの合成もしているのです!!ただし、悪玉菌は増えすぎると悪さをするので、腸内環境は善玉菌が優勢であることが腸内社会の調和の基本であり、そのバランスは日和見菌が鍵を握っていると言えます。要は、おなかのお花畑もバランスが大事だということです。善玉菌が優勢な腸内環境であれば、悪玉菌は悪さをせずに自分の役割をきちんと果たすのです。

バランス次第で花園にも荒野にもなるのが腸内フローラです。調和のとれた腸内フローラは、私たちの免疫力を高めて新陳代謝を促進させます。更に腸は、後述するセロトニンドーパミンの前駆体を十分に脳に届け、私たちに心身共に健やかな美をもたらすのです。

腸内細菌のバランス関係のイメージ
まめちしき

おなかは小さな共和国!

ぼくたちのおなかに共生(プロバイオシス)して、ヒトに良い働きをする微生物たちを「プロバイオティクス」というんだ(最近はヨーグルトの入れものにも書いてあるね!)。みんなもよく知っている乳酸菌やビフィズス菌のことだよ。プロバイオティクスが好きな食物繊維やオリゴ糖をとって彼らのエサにすることを「プレバイオティクス」というんだって。

図

キレイの秘密

黄金比とか白銀比とか、キレイなものにはバランスがあるらしいよ。腸内フローラをキレイにするのも、腸内細菌のバランスがだいじなんだね。毎朝鏡をみるように、おなかのキレイを見直すことが、ほんとうのキレイのポイントなんだね!

Q:腸内フローラをキレイにするには?

A1:善玉菌をふやす

A2:悪玉菌をなくす