1時間目の始まり

1時間目は腸きんげんだい

勉強するコロンぼうや

この時間の授業は

『最近の食べもの』

『不思議な食べもの』

最近の食べもの

私たちが毎日当たり前に消費している多くの食べものは、近代以降の産業技術によって急速にもたらされたものです。
食べものをとりまく技術の進歩には、野菜や果物への農薬の開発から、家畜を早く確実に育てるホルモン剤抗生物質の投与、最新の遺伝子技術などがありますが、これらを長大な人類史上で俯瞰してみると、聞き慣れた産業技術も「つい最近できたもの」ということがすぐにわかると思います。

大量消費を可能にした産業技術がつくり出した食べものの中には、残念ながら私たちに有害なものもあって、腸内を腐敗させやすいトランス脂肪酸添加物ショ糖などは、意識の高い人達を中心に問題視されています。
人類の起源とされるアフリカでは、食の近代化(欧米化)によって、以前のアフリカでは殆ど見られなかった消化器系の病気が増加していると言われています。

いつでも手軽にとれる便利な食べ物は、私たちにとって本当に便利な食べ物といえるのでしょうか。
日本には古くから伝わる健康的な食文化があります。「古きをたずねて新しきを知る」。食育が定着しつつある今、私たちは、もう一度「自分たちの食」を見直す時に在るのではないでしょうか。

現代食に囲まれた子供のイメージ
まめちしき

昔のヒトたちは
何を食べていたの?

ずっと昔のヒトたちは、野性動物や木の実を食べてあちこち移動して暮らしていたんだ。でも縄文時代のヒトたちは、お米をつくるようになって同じ場所に暮らすようになったんだって(今のぼくたちといっしょだね!)。
それから七世紀ごろ「お肉を食べちゃいけない」決まりができて、日本食の原型みたいな米と野菜とお魚の組み合わせがうまれたんだって。

そのあと日本は外国と仲良くするようになって、新しい食べものがたくさん日本に入ってきたけれど、昔は野菜もお肉もみんな自然に近いものを食べていたんだって。今の野菜やお肉とどこがちがうのかな?例えば100gのほうれん草のビタミンCの量は、文部科学省の資料によると、1950年のものは150mgだったのに、2005年では35mgなんだ。ビタミンが四分の一に減っているんだって!!農薬がたくさん使われて土が弱っているからなんだ。

図

不思議な食べもの

何日経っても腐らない食べ物や、例えば「オレンジが一切入っていないオレンジ味の食べ物」、更に「食べるプラスチック」とよばれる不思議な食べ物が、街の食品売り場には当たり前に並んでいます。

不思議な食べ物の殆どに使われている食品添加物の幾つかは、外国(オランダ・デンマークを中心に)では、健康被害への懸念から使用が禁止されていたり、規制がかけられています。その危険性とは、発ガン性だったり、遺伝子を傷つけるといった深刻なものです。
しかし日本では、それらが私たちの体内で分解できないもので、健康上に危険性があると知られていながら、トランス脂肪酸をはじめ、健康被害の元とされる食品添加物の多くが、「野放し状態にある」とさえ言われています。
他にも身近な食品では、精製された砂糖ショ糖の弊害も広く知られています。ショ糖は肌の老化や脳の働きを悪くしますから、仕事や勉強のあとの「ご褒美」のつもりの甘いお菓子が、身体にはネガティブに働くという落とし穴があります。

これらの物質は市場に溢れる多くの加工食品に含まれている為、日常生活の中で完全に避けることは、残念ながら不可能と言わざるをえません。しかし、少しでもそういったものを摂らないようにする意識が大切ではないでしょうか。

現代食に囲まれた子供のイメージ
まめちしき

食べるプラスチックって
なに?

あぶら(油・脂)には、常温で液体と固体のものがあるんだけど、コレステロールが低い植物油(液体のほうね!)はカラダにいいと考えて、この油を固体化する技術が考えられたんだ。そしてマーガリンができたんだ。

固体化の秘密は、油に水素添加すること。これを「トランス脂肪酸」っていうんだ。科学者のヒトたちは、これを「油のプラスチック化」と呼ぶんだ。
トランス脂肪酸は自然界にはないものだから、ぼくたちのカラダにもよくないんだ。脳は約60%が脂質だから特によくないんだって!それに動脈硬化や悪玉コレステロール、活性酸素を生みだすもとなんだ。腸内で「酸敗」とよばれる腐敗を引き起こして、その毒素が大腸がんや、全身に痛みを引き起こすもとになってアブナイんだ。ぼくたち子どもが好きな食べものに多く使われているから気をつけて!

図

Q:腸にいい食べものは?

A1:カップ麺(インスタント)

A2:手づくりごはん(野菜多め)